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NOREN 03 ガルフロゴ

我流風(ガルフ)

株式会社Style
株式会社Styleは2016年5月に我流風(現:株式会社W・R)を譲受。
鹿児島という東京からは距離のある地方企業とのM&Aだったが、様々な課題をクリアにする円滑なディールを行い、東京と地方をつなげる双方にとってメリットのある関係を築くことができた。
sell
石川 瑛祐|ISHIKAWA EISUKE
2012年に株式会社subLimeへ入社。飲食店の店長を任され、売り上げを伸ばし、入社後わずか9ヶ月で独立し2014年に「株式会社StyLe」を設立。東京・神奈川・千葉・宮城・鹿児島で居酒屋をはじめ焼肉店、タイ料理、ラーメン店など様々な業態にとらわれず多数の飲食店を展開している。
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我流風(ガルフ)

株式会社Style
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株式会社Styleは2016年5月に我流風(現:株式会社W・R)を譲受。
鹿児島という東京からは距離のある地方企業とのM&Aだったが、様々な課題をクリアにする円滑なディールを行い、東京と地方をつなげる双方にとってメリットのある関係を築くことができた。
石川 瑛祐|SHIKAWA EISUKE
2012年に株式会社subLimeへ入社。飲食店の店長を任され、売り上げを伸ばし、入社後わずか9ヶ月で独立し2014年に「株式会社StyLe」を設立。東京・神奈川・千葉・宮城・鹿児島で居酒屋をはじめ焼肉店、タイ料理、ラーメン店など様々な業態にとらわれず多数の飲食店を展開している。
鹿児島の企業を東京から買収。
距離の壁はベンチャーらしく乗り越える。
中塚:M&Aに至るまでの御社の簡単な沿革と、M&Aを考え始めたきっかけを教えてください。

石川:株式会社 StyLeは2014年 4月に創業しました。そして、鹿児島でラーメン店「我流風」を運営していた株式会社W・RをM&Aで子会社化したのが 2016年の5月です。法人設立前に個人事業で経営をしていた時期が1年ほどありますが、それにしても、ベンチャーとして創業してから2年弱での M&Aというのは早い方だと思います。
法人のM&AはW・Rが初めてですが、実はそれ以前にも単店舗を事業譲渡で譲り受けた経験がありました。最初に譲り受けた店は「ホルイチ」で、この店で譲受後に売上をアップさせることができ、投資資金を1年で回収できたことで、多少自信がつき、もっと大きな会社単位のM&Aにも興味が高まりました。ちょうどそんな折に、KSGさんから我流風のお話を頂いたのです。

中塚:初めて本件の提案を受けた時どのように感じましたか?

石川:最初に聞いたときは、正直、「鹿児島は遠すぎる」と思いました。行ったことがなく、地縁もありませんでしたし。ただ、M&Aに興味はあったので、とりあえず詳しいお話だけでも伺おうと思ってお会いしました。
詳細を教えて頂くと、財務内容に対しての提示条件は悪くありません。多少交渉が必要だと思える部分もありましたが、買いたいと思わせるご提案内容でした。そこで、実際に現地視察に行ってみました。
すると、鹿児島市街は想像以上に発展して栄えている。
失礼ながら、かなり田舎だと思っていたのですが、いい意味で予想を裏切られました。そして、店舗はショッピングモール内にあり、お客様も結構入っていて活気があるし、スタッフさんもきびきびと働いていて、仕事ぶりもいい印象を受けました。

中塚:その中で買収に至った決め手はございますか?

石川:ラーメン業界はとにかく流行の移り変わりが激しいので、創業者が作り込んだ味だけで勝負している路面店は、現状は人気があっても、5年後にはどうなっているか全く分からない。
リスクが大きいのです。その点、安定したオペレーションを確立してショッピングモールへチェーン出店している店舗なら、中期的な事業リスクも低いと判断できます。
そういった自分の判断基準と照らし合わせ、さらに現地の様子を実際にこの目で見て、初めて「これはいけるんじゃないか」と感じました。
懸念していた東京からの距離ですが、実際に行ってみると、飛行機での移動時間は仕事もできますし、東京で渋滞にはまって動けなくなることを考えたら、ほとんど変わらないかなと思い直しました。
それに、よく考えてみると、当時まだスタートアップ時のベンチャーだった私たちに、「数字もいい、業態もいい、その上、東京からすぐ近く」みたいな、すべて好条件が揃った M&A案件が買えるはずがありません。当然の市場原理ですが、すべて条件がいい案件は買収金額も上がります。それなら「ベンチャーらしく、距離の壁なんて気合いで乗り越えてやろう」と思い、前向きに検討することとしました。
売却理由が「お金のためではなく、会社や従業員のため」
売主と気持ちで通じ合ったことが決め手
中塚:M&Aの過程で特に大事にしていたことは何ですか?

石川:M&Aを進めるにあたって、クリアにしなければならないことがいくつもあります。それは大きく分ければ経営資源の3要素である「人、モノ(事業)、カネ」に関するものです。今回の場合、「モノ(事業)」に関しては、KSGさんにまとめて頂いた BS、PL、キャッシュフローなどの数字や企業情報とともに、実際に現地で立地や店舗を見て、これは大丈夫だと判断しました。
次に「カネ」の面ですが、私は事業投資の評価を将来キャッシュフローによる回収期間でシンプルに見ています。我流風のときは、初めてのM&Aのため慎重になっていたことや、東京からの距離などの要素から「将来キャッシュフローによる投資回収期間が、想定する範囲内でなければ買わない」と、ラインを決めていました。それをKSGさんを介して売主さんにもはっきりとお伝えして、最終的にはKSGさんが丁寧に対応して下さり、お互いが納得のいく条件で合意することができました。
次に「人」に関してですが、売主さんにお会いして、なぜ売却されたいのか、その正直なお気持ちをじっくりと聞かせて頂きました。そして、単にお金のために売り抜けることを考えているのではなく、本当に会社や従業員のことを大切に思っていらっしゃること、しかし健康上の理由で経営を続けていくのが難しくなったことなどをお伺いしました。従業員をなにより大切に考えるお気持ちは、私が常々考えている経営の目的とも通じるところがあります。
そこで、ぜひこの会社を譲り受け、より良い会社にさせて頂きたいとお伝えしました。当然、M&Aが成立するまでにはクリアしなければいけない懸案事項が多々ありますが、KSGさんを介してすべての事項をクリアして、基本合意を締結しました。そして最後に、先方の従業員との面談を行いました。これは私たち買手側からの絶対条件として挙げていたもので、もし従業員が反対するなら今回の件は白紙に戻すという条件になっていました。私は主要メンバーの方と面談し、売主さんの意思を引き継いで、さらに会社を良くするためのM&Aであることを丁寧に説明しました。最終的にはみなさんご理解頂き、2016年5月、無事にクロージングの運びとなりました。

中塚:初めてM&Aでしたが、実際に経験してみていかがでしたか?

石川:我流風の案件は、私にとって初めてのM&Aで分からないことだらけであり、当初はかなり不安がありました。
動く金額も大きいですし、先方の従業員さんやそのご家族、弊社のスタッフの生活もかかっています。そのため、どんな細かいことでも分からないことは必ずKSGさんに質問して確認し、教えて頂きながら進めてきました。ご面倒もおかけしたかもしれませんが、かなり細かいところまでしっかりサポートして頂き、また譲受後の相談にも乗って頂けたので、非常に心強かったです。
ブランドは、世代を超えたバトンタッチによって、
何度でも若返り、より良く、強くなっていく可能性を持つ。
中塚:M&Aを経験されたお立場から、読者へのメッセージをお願いします。
また、御社の今後について教えてください。

石川:よく、私の夢とか将来やりたいことを質問されるのですが、私個人がこんな店を出したいとか、こんな事業をしたいという具体的なものは、実はほとんどありません。では、なにを目指しているのかといえば、弊社の全従業員が気持ちよく働ける環境を作り、従業員それぞれの夢が実現できるような「場」を広げていくことです。
従業員が活躍できる「場」を広げるという意味で、我流風で経験した地方企業のM&Aは、非常に良い経験となりました。
地方の企業では、さまざまな事情で、若い人たちが伸びていきにくい面があります。そのため、やる気のある若者は、東京に出てきて東京で独立するか、あるいはUターンして戻ってなにかやるか、というのがほとんどでした。
東京は、情報も多く、競争も激しいので、そこで鍛えられるところは大きいでしょう。しかしもっと別の選択肢があってもいいのではないかと思っていました。
弊社のような東京に基盤がある企業が地方企業をグループ化することで、東京のやり方や情報をリアルタイムで伝えながら地方企業のマネジメントが可能になります。つまり地方の若者が、東京に出ることなく、地方にいたまま東京のノウハウを身に付けて成長できる機会が作れるのです。
実際、我流風(株式会社W・R)では、鹿児島の若い従業員に権限移譲を進めて、経営を任せようと考えており、準備を進めています。
また、我流風の買収後、鹿児島の経済界の方にもたくさんお会いさせて頂き、応援してくださるようになりました。その繋がりによって、地方のいいものを東京に持ってくることができるようになりました。私たちの店では、鹿児島の食材をたくさん採り入れています。
つまり、東京を地方に伝えるだけではなく、地方を東京に伝えることで、両者にメリットがあるWin-Winの関係が築けるのです。
弊社が、日本全国の地方都市とこのような関係が築くことができたら素晴らしいと思いますし、積極的にそのような展開をしていきたいと考えています。後継者不在に悩んでいても、M&Aに関心があっても、特に他地域の相手へのM&Aとなると、敷居が高いと感じるお気持ちも、よく分かります。しかし、せっかく大きく育った会社が、そのまま歳をとって衰えていくとしたら、あまりにもったいない。世代を超えたバトンタッチによって、何度でも若返り、より良く、強くなっていく可能性を持つのが会社です。通信手段や交通網が発展した今では、距離の壁も乗り越えられます。
実際、これまで弊社で引き継がせて頂いた会社や店舗はすべて、従業員の待遇や労働条件が以前よりも良くなっており、従業員にもそのご家族にも喜んで頂いております。
もちろん弊社に限らずですが、そういった相手に会社をバトンタッチすることで、関わる全員が幸せになれる道を用意できれば、それはこれまで経営されてきた方にとって素晴らしいご決断であり、花道になるのではないでしょうか。
夢が実現
できるような
「場」を広げて
いくこと。
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